LBA

…Logical Block Address : 論理ブロックアドレス。要するに、ディスク装置のセクタ数、またはその場所を表す位置番号のこと。
1つのセクタには512バイトのデータが書ける。それが1つのディスクに何箇所あるかって事が、そのディスクはどれだけの容量があるかって事ことになる。
容量は当然製品によって違う。例えば同じ「40G」っつって売られてるHDDでも、昔は実際の容量が機種によってバラバラだった。それは作ってるメーカーが違えば当然違うし、モデルチェンジしたって前のモデルの容量と後のモデルの容量が違う、なんてことも当然あった*1
実際に、後継モデルで容量が減っちゃったなんて話もあった。それじゃ大は小を兼ねないんだから後継にならねーじゃん、って事で、最近のHDDはちゃんと前のモデルの容量をカバーするように考えられてる。*2

…と・こ・ろ・が。

やってくれました、Maxtor。久々に新機種の容量減らしやがったよコイツ。(つ_T)
今更IDEMA基本容量に合わせやがってバカヤロー!!
新機種で旧機種の交換がきかねぇ*3じゃねーか!!
Maxtorだけは頑なに、ディスク使用効率のいい容量設定で出荷してたんですよ、今の今まで。だから、他のHDDメーカーが共同して「みんな同じ容量表示のモデルでは容量そろえましょう」って取り決めをIDEMA*4って協会で合意してたにもかかわらず、Maxtorだけは頑固に突出した容量で売ってたんですねぇ。*5
今更になって「1人だけ異端な事をしてると売れなくなる」とでも思ったのでしょうか?揃えてきたんですよLBAの値をIDEMA標準に。
でもそれって現行ユーザーを見捨ててるのに近いんですよね、大きく開きのあるコストを無理に負担させるって。

えーと、250GBの上は…今300GB製品にロクなのがないから…やっぱり400GBになっちゃうの?
…あのー、価格差\16000もあるんですが…。しかも超のつく品薄…え?日立は400GB生産終了ですか、そうですか。

…マテ。

他に選択肢はSeagateだけ?…思いっきり高いんですが。しかも消費電力が…ううぇっうぇっうぇ;;。

ついでに。

容量帯(GB) IDEMA LBA Maxtor LBA HGST LBA
40 n/a 80,293,248(41.0GB/6E040) n/a
60 117,231,408 120,103,200(61.4GB/5T060) ?(61.5GB/180GXP)
80 156,301,488 160,086,528(81.9GB/従来)
156,301,488(80.0GB/6V080)
160,836,480(82.3GB/7K080)
100 195,371,568 195,813,072(100.2GB/4W100) n/a
120 234,441,648 240,121,728(122.9GB/6Y120) ?
160 312,508,808 320,173,056(163.9GB/従来)
312,581,808(6V160)
?(164.0GB/7K160)
180 351,651,888 ?(4A180J0) 361,882,079(185.2GB/180GXP)
200 390,721.968 398,297,088(203.9GB/従来) n/a
250 488,397,168 490,234,752(251.0GB/従来)
488,397,168(250.0GB/6V250)
488,397,168
300 586,072,368
(300,069MB)
585,940,320
(300.001MB/5A300)
n/a
400 781,422,768 781,422,768(400.0MB) 781,422,768
500 976,773,168 976,773,168(500.0MB) 976,773,168

IDEMAで定められている基本容量は80GB以上*6のみ。
日立GSTも、旧IBM製品(180GXP世代)が存在したクラスに関してはそれらを代替可能な容量をしている。

*1:酷いときにはファームウェアの不具合修正でアップデートしたら容量が変わった、なんて馬鹿げたことすら、あった

*2:実は歩留まり向上のためにわざと円盤上の記録可能容量より減らして余裕をもたせた容量に「設定」して売ってるので、メーカーにとっちゃそんな小手先の調整ぐらいファームウェア側でチョチョイのチョイなのだ。そうすると例えば極端な話だけど、記録容量が80GBある円盤が4枚詰まったHDDが、製造時点で最大20GB近く記録面欠陥があったとしても、それ以外に欠陥がなければ「300GBのHDDとして設定」して出荷できる分には何の問題もないワケ。IBMや日立GSTのHDDに至っちゃ、メーカーサイトで配ってるユーティリティを使ってわざとHDDの認識容量を減らす設定さえ可能になってるw。

*3:容量減ったらセクタtoセクタでコピーしきれないorRAID組まれてたHDDの交換に使えない

*4:国際ディスクドライブ協会。日本にも支部がある。http://www.idema.gr.jp/

*5:40GBのHDDが41.1GBあったんです、これは昔ちゃんと「40.9GB」ってHDD売ってたから仕方ないです。
80GBのHDDが81.9GBあったんです、これも昔ちゃんと「81.9GB」ってHDD売ってたから仕方ないです。一度その81.9GBの後継モデルを80.0GBで発売して総スカン食らったからその次でまた81.9GBに戻したんです。
250GBのHDDが251.0GBあったんです。LBA数で言うと4億9023万4752ブロック。
このご時世になんでそんな事やるか、それは「他のメーカーにとって代わられたくなかったから」。当時、業界で最大容量メーカーの座をIBM(現:日立GST)から奪取して痛い突っ走りつづけていたMaxctorは、最初に市場を251GBで取ってしまえば取ったもん勝ち。故障交換に容量の少ないHDDじゃ使えないからお客さんは同じMaxtorのHDDに換えるしかないからです。その次も320GBを投入…という運びが、できませんでした。IBMの末期と同じく、不良が多発したので歩留まりが悪く、結局容量を減らして売らざるを得なかったからです。それは結局当初の予定より1年近く遅れて、容量300GBとして製品化されましたが結局流通量も少なく短命に終りました。そして、復権を掛けた日立GST(旧:IBM)が400GBモデルを2004年オリンピック需要に沸くHDDレコーダ市場に合わせて発売、一躍大人気に。つい最近までHDDレコーダで400GBといえばみんな中身は日立GST製だったのです、今でこそ他社も追随してきましたけど。やがて日立は500GBモデルまで投入して現在に至ります。当然Maxtorは没落の一途…。で最終的に株価も下がりまくった挙句、先月ライバル会社のSeagateに買収されてしまった…と。

*6:2.5インチ以下に関しては40GB以上